斎藤洋「風布」展
11月10日(土)~17日(土)
私には大切な布が二つあります。ウールモスリンとがら紡布です。どちらも国産、そして途絶が心配な布たちです。その存続に向けて、多様な仲間が集まる会を続けていますが苦戦をしています。
今回は、その素材を中心に染めました。
この異なる布の共通点は、心地よく身にまとうために長年かけて作り上げてきた素材である事だと思います。
今を生きる人の体、そして精神は、かなり疲れているように感じています。
無くなりそうなこの布は、そんな私達を優しく包んでくれます。
あの3・11は、物作りをしている私にとっても、本当に大きな出来事でした。身のすくむような風景を目前に、自らの仕事の意味を考えざるを得ませんでした。
被災地を行き来する中で、今強く感じているのは、クラフトの持つ大きな力です。
被災地を巡る中で、子供たちが飲んでも大丈夫な色・草木で染めていきたいと思うようになりました。
今回初めて、少しですが草木染の作品も作ってみました。
モスリンとがら紡を囲んで、そんなことを語り合えるひと時が持てたらと思います。
斎藤洋
お話会:11月10日 午後4時~5時